農地を相続する際、その扱いには様々な選択肢があります。相続財産の放棄から相続土地国庫帰属制度利用まで、どのように対処するかは重要な決断です。この新制度は、農地の管理に悩む相続人にとって新たな選択肢となります。こちらでは「農地を相続放棄したい!」とお考えの方に向けて、相続放棄の可否や、新制度の概要・利用方法について詳しく解説していきます。
相続した農地の管理義務
相続した農地は適切に維持・管理する義務があります。具体的には以下の作業が必要となります。
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農地周辺の草刈り
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除草
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農道・用水路の整備
農地は農業生産だけでなく、保水機能や生物多様性の維持など重要な役割があります。放置すれば、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
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周辺農家への迷惑
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自然環境のバランス崩れ
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害虫・害獣による農作物被害増加
したがって、相続放棄をしない場合や、放棄するまでの間は、適切な維持・管理を行う必要があります。
農地の相続放棄はできるのか
相続財産は、金銭的にプラスとなる「積極財産」と、マイナスとなる「消極財産」の二つに分類することができます。相続放棄を行うとは、「積極財産」「消極財産」問わず、相続財産全体に対するすべての権利を手放すことを意味します。そのため、農地のみの放棄など、部分的な相続放棄はできません。そのため、農地を相続しない方法としては、次の3つの選択肢が考えられます。

◇農地を含む全財産を放棄する
相続放棄すれば農地の一切の権利義務を手放せます。ただし、他の相続財産も一括で放棄せざるを得ません。
◇相続後に国に農地を渡す
2023年4月から「相続土地国庫帰属制度」が始まり、農地のみ国に引き渡せるようになります。ただし、審査や負担金の支払いが条件となります。
◇農地を遺産分割で他の相続人に渡す
複数の相続人がいれば、希望する人に遺産分割で渡すことができます。
このように、農地の相続に関しては複数の選択肢がありますので、状況に応じた選択をすることが重要です。
農地相続のジレンマ:相続放棄と相続財産の取り扱いについて
農地を相続した場合、多くの方が以下のようなジレンマを感じることがあります。
・農業経験がない
・遠方に住んでいて管理が難しい
・相続税や固定資産税の負担が重い
このような状況で、相続人は次の選択肢を検討することになります。
・相続放棄
・相続受諾後に農家への売却、農地の貸し出し、農地の転用
◇相続放棄
◆メリット
・遺産全体を放棄できる
・相続税や固定資産税の負担がなくなる
◆デメリット
・プラスの遺産も含めて全て放棄することになる
・次の相続人が現れるまで管理責任が残る
◇農家への売却
◆メリット
・早期に現金化できる
◆デメリット
・売却価格が低くなる可能性がある
◇農地の貸し出し
◆メリット
・所有権を維持しつつ収入を得られる
◆デメリット
・賃料が低額になりがち
◇農地の転用
◆メリット
・土地の価値が上がる可能性がある
◆デメリット
・許可取得に時間とコストがかかる
新たな選択肢として注目されている「相続土地国庫帰属制度」を利用すれば、条件を満たす土地に限り、国に引き渡すことが可能になります。農地相続のジレンマに直面した際は、各選択肢のメリット・デメリットを十分に検討し、専門家にも相談しながら最適な方法を選択することが重要です。
相続放棄手続きの流れ
相続放棄の手続きは、以下の3つのステップで行われます。
◇1.相続放棄申述書を作成
申述書は家庭裁判所・裁判所ホームページで入手可能です。必要書類をそろえて書類を提出します。
◇2.家庭裁判所に申立て
期限内に必要書類を提出します。
◇3.家庭裁判所から受理通知書が届く
受理通知書の内容について、相続放棄の内容に問題がないことを確認しましょう。照会書に回答し、署名・捺印して返送します。これで手続き完了です。
相続放棄の手続きは複雑で、専門用語も多いため、わかりにくいと感じる方も多いと思います。相続放棄をしたいと考えている方は、専門家に相談することをおすすめします。
土地を手放す際の新たな選択肢!「相続土地国庫帰属制度」とは?
2023年4月27日から「相続土地国庫帰属法」が施行され、相続によって引き継がれる管理が困難な土地を国に帰属させることができるようになりました。売却などの処分が難しいとされる農地を相続する非農家の方にとっては新たな選択肢の一つとなるでしょう。
こちらでは、相続土地国庫帰属制度の概要や利用要件などについてご紹介します。

◇制度の概要
「相続土地国庫帰属法」は、相続によって得た土地を国庫に移行させるためのルールを設ける法律です。「相続土地国庫帰属制度」はこの法律に基づいて導入されました。
・国庫に土地を移行できる新制度
この制度では、相続や遺贈により宅地・山林・農地などを取得した人々が、一定の負担金を支払うことで土地の所有権を国庫に移行させることができます。これは、要するに、土地を国に移譲できる制度です。
・法務局による要件審査が必要
相続により不要となった土地を国に移譲することが可能ですが、すべての土地が自動的に受け入れられるわけではありません。申請者からの提出があった後、法務大臣を含む法務局が審査を行い、条件を満たす土地のみが国庫に移行されます。具体的な対象条件については後述します。
・相続土地国庫帰属法の制定背景
この法律は、土地利用の需要が減少している中で、相続により土地を手放したいと望む人々が増えている現状に対応するために制定されました。
望まない土地を相続することで発生する管理上の負担から、土地が荒れたりや危険な状態になるというケースが少なくありません。この法律は、そうした土地を国が管理することで、土地の荒廃を防ぎ、所有者不明の土地が発生するのを抑える目的も持っています。相続土地国庫帰属制度を通じて、管理が困難な土地を国が引き取ることで、そのような問題を軽減することが期待されています。
◇利用要件
・国庫帰属申請が可能な申請者の要件
国庫帰属を申請するためには、特定の要件を満たす必要があります。申請できる人は、以下の条件を全て満たしている必要があります。
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相続人であること
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相続または遺贈(遺言による贈与)により、土地やその共有持分を取得していること
このため、土地またはその共有持分を遺贈で受けた人が相続人でなければ申請はできないことになります。ただし例外があり、相続人が共有持分を遺贈または相続によって取得した場合は、その相続人と共有している他の共有者も申請できます。
しかし、生前贈与で受け取った土地は相続や遺贈による取得ではないため、国庫帰属を申請する資格がありません。
・国庫帰属が認められる土地の要件
国庫帰属が認められる土地は、法律で定められた不承認事由(申請しても承認が下りない土地)や却下事由(申請時点で却下される土地)に該当しないものに限定されます。不承認事由・却下事由は以下のとおりです。
<不承認事由に該当する土地>
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土地の通常の管理や処分を行うために、除去が必要となる有体物が地下に存在する土地
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勾配が30度以上で高さが5メートル以上の崖があり、その管理に通常よりも多くの費用や労力が必要な土地
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土地の通常の管理や処分を妨げる工作物、車両、樹木などの有体物が地上に存在する土地
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他の土地の通行を現に妨げている土地
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所有権に基づく使用や収益が明確に妨害されている土地(ただし、その妨害が軽微で土地の通常の管理や処分に影響を与えないと認められる場合は除く)
ほか
※詳しくは法務省のホームページにてご確認ください。
<却下事由に該当する土地>
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担保権や使用・収益を目的とした権利が設定されている土地
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通路用地、境内地、墓地、水道用地、排水路、ため池を含む土地
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特定の有害物質によって汚染された土地
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建物が存在する土地
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不明確な境界により、所有権の存在や範囲に争いがある土地
◇負担金
法務省による「相続土地国庫帰属制度の負担金」の情報によれば、具体的な負担金額は次のとおりです。
詳しくは法務省のホームページをご確認ください。
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相続土地国庫帰属法の施行によって、扱いにくい土地や管理が難しい土地をスムーズに手放すことができるようになりました。相続における選択肢が増えますが、どの選択をするかは相続人個々の状況によります。相続土地国庫帰属法には申請の手続きや負担金も必要となりますので、難易度は高くとも、一度売却を検討されるのもよいでしょう。農地は一つの相続財産です。最適な決断のためには、ご自身やご家族の状況をしっかりと把握することが大切です。
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